隊長と俺
〜その2・アンタの苦労はわかってる〜
そんなわけで、おかしな(?)同居生活を始めることになったアスランさんとシン君。 果たして、マトモな共同生活を営めるのでしょうか…? |
(あーあ、自宅待機つっても、オレ、別に病気とか何だとかってわけじゃないしなぁ。正直、ヒマなんだよな…とりあえず、便所で出すもん出して、スッキリしとくかぁ…あ、スッキリったって、出すのはおしっこだからな。朝っぱらから変な妄想してたのは確かだけど、いきなりシコシコってのは無しだぞ) そんなもの、説明されなくてもわかってます… (あ、やべ…いつもよりちんちんがデカくなってると思ったら、ガマン汁が出てるじゃんか。まずいなぁ…アスランさんが帰ってくるまでに、後で何とかしておくか) ま、シン君もまだ若いんですから、大きくなったり少し濡らしてしまったりというのは、ある程度仕方がありません。 とりあえずは、誰も見てないところで処理しておきましょう。 |
(さて、と…今日のニュースは?…『人事・消息:○日発表、ORB軍本部特別警務室室長補佐・兼准将付、アスラン・ザラ』…ふぅん、何だかんだ言って、あの人っていろんなとこから目ェかけられてんだよな…てか、特別警務室の准将付ったら、キラさんのお付きかよ。しかも、室長補佐ってことは、現場の隊長かぁ…いいなぁ…あ、オレもアスランさんに面倒見てもらってるんだから、いずれは特別警務室配属で、キラさんの…でも、やっぱりZAFTも捨てられないよなぁ。オレを育ててくれた所だもんなぁ。あの人みたいに、簡単に捨てられないよ) 新聞の人事関係の記事ひとつを取っても、かなり考えさせられるものがあったようです。 |
(ま、細かいことはいいや。あれこれ考えても仕方ねぇし。ネットでもすっかな………匿名掲示板って、面白いよなぁ。ウワサがホントなのかウソなのか、推理するだけでも楽しいや。でも、この『名無しさん、行きます!』って、何なんだよ?) この街のネットの世界にも、現代日本の某巨大掲示板群のようなものがあるようで… 801 名無しさん、行きます![sage] ○/×/◆ 23:56 ORB軍本部のA.ZとK.Yが、またよりを戻したらしい。 ガチのA.Zはともかく、K.Yはノンケに戻ったと聞いていたが。 802 名無しさん、行きます![sage] ○/×/▲ 00:14 >>801 数日前に、深夜残業になったときの話だが、真夜中の 本部オフィスの男子トイレで、あやしい喘ぎ声が聞こえた。 どうも、A.ZとK.Yが、夜中に乳繰り合っていたらしい。 トイレの中が何となくイカ臭かったよ。 tu-ka、中身の入ったゴムはトイレに置きっぱなしにせず、 ちゃんと持って帰ってくださいよ、Z室長補佐。 803 名無しさん、行きます![] ○/×/▲ 00:22 中の人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 暴露age 804 名無しさん、行きます![sage] ○/×/▲ 00:25 ホモの生態が晒されてると聞いて ニュー速から飛んできますた。 805 名無しさん、行きます![sage] ○/×/▲ 00:28 うほっ 806 名無しさん、行きます![sage] ○/×/▲ 00:29 ageんなや>>803。つーか、マジかよ。 ゴム持参とは、Z、用意周到だなwwwww Zは、現在自宅謹慎中のS.Aも狙っているらしい。 807 名無しさん、行きます![] ○/×/▲ 00:31 軍部フォモ祭りの会場はここですか? (おい、これってイニシャルだけでもバレバレだろうがよ!軍属で有名になっちゃうってのも、大変なんだなぁ…ってか、狙われてるの?オレ…いや、その前にキラさんが…キラさんがぁッ!!) ま、嘘を嘘と見抜けない…以下省略です。 |
(えぇい、変なウワサに惑わされるのはヤメヤメ…あ、腹が減ったと思ったら、もう昼過ぎたのか。ネットしてると時間を忘れるよなぁ。昼飯、どうすっかな?…オレ、料理はあんましダメだから…宅配ピザでも頼むか) |
「毎度ぉ。宅配ピザの『マユ』っすー」 「お!キタキタ…しっかし、何つー店の名前なんだよ…ったく、ついついアンタんとこに頼んじゃうじゃんか」 「さぁ…社長の名前だったか何だったか。いずれにしても、毎度ありがとうございまっす」 「おう。これからもちょくちょく頼むから、よろしくなぁ」 |
(あーあ…ジャンクフードはあんまり身体に良くないっても、旨いんだから仕方ないよなぁ。店名に負けて結局デカイのを頼んじゃったから、食いきれない分は夜食にでもとっとくか…アスランさんも、食うかな?あ、あの人は…『俺がちゃんとメシを作るんだから、そんなもの頼むな!』って言いそうだよなぁ…でも、やっぱり旨いもんは仕方ないよな、うん) |
さて、今日のアスランさんは特に残業もなく、比較的早い時間にご帰宅となったのですが… |
「シン、ただいま…」 「あ、おかえんなさい」 「…ネットか?」 「えぇ、まぁ…他にやることもないし。身体がなまっちまいそうだけど、仕方ないッす」 「うむ…もう少しの辛抱だから、我慢してくれ」 「うぃっす」 「あぁ、そういえば…以前にも、戦争の緊張から解放されてプツンと何かが切れたのか、今のお前のように、ネットとゲーム三昧で引きこもってしまったヤツがいたなぁ…」 「へぇ…」 「しかし、その反動があったのか、今度の戦争でまたプッツンプッツン切れて…もう止めておこう。戦争の話は良くないな」 「あの、アスランさん?その人って…」 「ん?いや、個人の特定に関しては、ノーコメントだ。アイツの名誉もあるからな」 「…てか、アスランさんのその言い方で、全部バレバレなんっすけど」 (へぇ…キラさんでも、引きこもりな時があったのかぁ。あの人も、人間なんだな…てか、引きこもりのキラさんに、ちょっと萌えちゃったぞ、オレ…) |
「シン、腹減ったか?」 「いえ…まだ平気ッす」 「そうか。それじゃ、俺は少しばかり仕事を持ち帰ってしまったので、先にそれを片付けさせてもらうが…腹が減ったら言えよ?メシ作ってやるから」 「あ、はい…仕事なんですか?それじゃオレ、席外します」 「ん?別にそこでネットを続けていても構わんぞ?」 「いえ、やっぱ何だか、悪いし…あ、オレ、花壇の花に水をやるのを忘れてました。だから…今からやってきます」 「そうか…悪いな」 アスランさんにもわからない部分で、シン君にはイマイチ気の引けるところがあるようです… |
(あーあ、アスランさんに世話になってるのはいいんだけど、何となくぎこちなくなるんだよな。どうも、あの人に見られると、こう…変にムズムズしてくるんだよ。どうしてだろ?) そのムズムズ感が何によるものなのかがわかるのは、かなり先のことになりそうです… (それにしても、『吹き飛ばされても、僕らはまた花を植える』か…キラさん、オレが初めて会った時に言ったこと、憶えていてくれたんだな…オレ、まさかあの細身の美人さんが宇宙最強の男だなんて、わかんなかったよ…てか、たった一言で論破されちまったっつーか、あの人にたった一言で全部を教えてもらったような気がして、マジで涙が止められなかったんだよ。再開した時はさ…すげぇ人だよなぁ、キラさん…) |
…で、その『すげぇ人』はというと… |
(『我は孤独なるもの。剣と刀の傷を負い、戦と刃をかいくぐり……………答えよ我に、我とはなに?』…えっと、答えは『SHIELD』っと…よし、KOD'S SHIELDと戦闘だぁ…あ!ギルバートのHPを回復させておくのを忘れたよ…でも、だいぶレベルアップしてあるし、ギルバートが一人くらい死んじゃってもどうってことないかな。最前衛のアスランに頑張ってもらえば、何とかなるでしょ) 何を必死になってコンピュータに向かわれていると思いきや、ウィザードリィですか…やはり、今度もまた引きこもり…しかし、キャラクターのお名前に何かのこだわりをお持ちのような気も致しますが? |
三者三様と申しますか、この三人の間には今のところ、微妙な距離が存在しているようです。 |
CASTER, 2006
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